東京家政学院大学のキャリアバームと華飛がサポートを行いながら、ドローン業界で働く女性のキャリアについて、インタビューを行う企画です。これから社会人になる大学生の目線から、ドローン業界で働く女性に話を聞き、ドローンに関することや働くことに対して様々な話聞ける機会を作れればと思い実施しました。
第1回目は華飛のメンバーとしても活動している山端いづみさんです。
氏名:山端いづみ
ドローン経歴:4年
血液型:A型
居住地:関東地区
山端いづみさん撮影のお気に入りのドローン写真はこちら
Q1.現在の仕事について
現在は、パイロット、補助者、空撮、編集、企画、スクールの講師など、多岐に渡っての仕事をされています。ドローンは映画を見たことで知り、趣味である旅行に持っていきたいと思ったため、始めたそうです。スクールに来る人はドローンを全く知らない人が多く、大半は初心者とのことです。年齢層は70代の方もおり高めですが、若い方もいるそうです。
本業はオートバイのパーツ販売をする会社の経営をされています。親の会社を継ぐ話もある中で継がないことになり、そのタイミングでドローンをやってみようと思ったものの、最終的には親の会社を継ぐことになったため、今の形をとってドローンに携わっています。本業とドローンの2本を仕事とされていますが、どちらかを辞めて1本に絞るという考えはないとのことです。現時点ではドローンと本業の繋がりはないものの、お客様に映像を提供できる等オートバイとドローンは相性が良いため、今後活用していきたいと考えているそうです。
Q2.ドローン業界の魅力
ドローン業界は新しいことをやれることが魅力の一つです。また、さまざまな出会いがあり、色々な角度からの意見がもらえ、自分にはない発想や考え方をもつ人がいて、大きな魅力だと感じているそうです。自分と考えが近い人ばかりだと固まってしまいますが、違った角度から意見をもらえることで、発見に繋がることがあるそうです。
業界に入る前は考えの近い人とまとまりがちでしたが、外に出て話すことでさまざまな考え方があることに気付きました。ドローン業界は人と会う機会も多く、ドローンがそもそも新しいものなので、そこに集まって来る人も新しいものが好きな人が多い気がします。年齢も様々ですが、圧倒的に男性が多いそうです。始めたころから比べると女性も増えてきているそうです。
山端さん自身意識はしていないものの、撮影する映像に対して「そこを撮るんだ!」と周囲から驚かれることがあるそうで、女性がもっと増えればこういった女性ならではの視点や想い、使い方が入ってくるため、さらに業界が発展するのではないかと考えをお持ちでした。
Q3.ドローン業界で働くことの良いところ、辛いところ
ドローン業界で働く良いところは、新しい技術に早く触れられることができ、試すことができることです。また、出会いがあることで、お声掛けがあり、人との繋がりができることです。新しい人と出会えてかったことは、1人じゃできないことができること。1人だと時間がかかり、無理なこともあるので、チームでやることができます。自分の持っているスキルと求めているスキルをマッチングすることができます。
辛かったことは、山端さんはプレッシャーを感じやすい性格で、期待に応えられていないと実感すると申し訳ないと思うことがあり、それがプレッシャーに繋がってしまうそうです。具体的には、話している段階で想定が一致しているつもりでも、実際やってみたら想定とずれていることや、攻めたものが求められることです。攻めたものと言われても法律や環境の問題などで攻められないときもあります。そこで応えられていないなと思うと辛いなと思うそうです。
しかし、安心して仕事を任せてもらう為にも不安な姿を見せるのは良くないとプレッシャーに打ち勝とうとされています。プレッシャーに対して、練習や事前に細かい打ち合わせをし、イメージを一致させるようにしています。「ここまでやったんだから大丈夫」と自分をうまく言い聞かせるのもコツとお話しされていました。
女性としてドローン業界で働きづらいと思ったことは、撮影の機材が重く、運べないことがあるそうです。また、山奥の撮影はお手洗いがあまりなく困ってしまうそうです。
Q4.働く原動力
自分の中に、ドローンをやりたい気持ちと辞めそうになる気持ちがあり、やりたい気持ちが少し勝ったり、楽しい気持ちや出来たときの達成感などのポジティブ要素が勝ったりするため続けていて、少し上回るポジティブ要素が原動力になっているそうです。
また、プレッシャーなどのネガティブ要素が上回ることもあるそうですが、やらなかった後悔の方が大きかったという経験があるためやって失敗したとしても次に活かせて良いだろうという考え方を持つようになったため、続けている部分もあるそうです。
そんなポジティブとネガティブのせめぎ合いがあっても続けられているのは、やはりドローンが好きだからというのが原動力だとお話されていました。
Q5.ドローン業界に対する将来への期待
山端さんは何事も期待値を高く持ってしまう性格らしく、理想よりも現実を見るよう自身をコントロールするようにしているそうです。
ドローン業界の将来にも過度な理想を持つよりも、自分がやりたいことや自分と考え方が近い人と共にトライアンドエラーを繰り返しながら続けていくことが産業や業界の発展につながっていくのではとの考えをお持ちでした。
学生にドローン業界を勧めたいかお聞きしましたが、やりたいことに沿っていれば、勧めたいそうです。山端さん自身、学生の頃はバリバリ働きたいとは考えていなかったり、現在学生と話す機会もなく、学生が将来的にどう働きたいかわからなかったりすることから、学生を率先してドローン業界に誘いかけることは少ないようです。
しかし、やりたいことをやって、それを仕事にしたり社会に貢献したりすることができれば良いと考えており、その1つにドローンがあれば嬉しいとお話されていました。やりたいことで働けているという山端さんに、よく言われている「好きなことは趣味にしとくべき」という意見をどう思うかお聞きしました。
山端さんは、趣味と仕事を分断しなくても、ゆるくやっていき、つなげても良いのではないかと思っているそうです。自分の中でバランスが上手く取れず、一時期はドローンを趣味としてだけでやった方が良いのではと思う時期もあったそうですが、自分がやれることで誰かに喜んでもらえることが自分の喜びにもつながっていると感じ、趣味としてだけでなく社会のためになるようドローンを仕事としてもやっているそうです。
ドローン業課には人手不足を感じますか
人手不足に関しては、現時点で大きく感じることはないものの、補助スタッフや雑用を担当してくれる人が増えれば、さらに安全に、安心してドローンを飛ばすことができるといいます。ただし、コスト等の関係で簡単に人を増やせる環境ではないため、国や地域の支えがあると助かると感じるそうです。そのためにはドローンが広まることが必要だと山端さんは考えていらっしゃいます。
近年ドローンは少しずつ認知されるようになってきていますが、元々軍事用であるドローンにネガティブなイメージを持ったり、カメラが付いていることからプライバシーの面で不安を持ったりする人が少なくないため、その認識を変えることが、国や地域からの支援を受けることにつながるのではないかとお話ししていただきました。
最後に私たちの感想
2つ目は、原動力のお話についてです。プレッシャーや不安もあるが、やらないで後悔したことがあるとお話をしていたことです。私も同じような考えを持っていますが、やっぱりやらなければよかった、やってよかったのかと後悔をすることがたまにあります。お話をお聞きして改めて、この考え方を大切にしたいと感じました。
山端さんからドローン業界についてお聞きすることができ、充実した時間になりました。ありがとうございました。
本業で親の会社を継ぎながらも副業として新しいことをできるドローンをやっていることや、将来の目標としてなりたい自分になり続けたいという言葉から、自分の軸を持って生きているように感じ、私も自分の軸となるものを見つけたいと強く思いました。
楽しさは、自分で何かを成し遂げたり達成感を感じたりといった経験をして得られるものだとお話されていて、キャリア・バームで活動する自分と重なりました。このドローンプロジェクトも最後に達成感を感じられるような活動にしていきたいと改めて思いました。
初回のヒアリングで慣れておらず、お話し辛いところもあったかと思いますが、お忙しい中ご協力いただきありがとうございました。
ドローン業界で働くことの魅力は、新しい技術に触れられることと、色々なタイプの人との出会いがあることだとお話しされていました。特に人との出会いについては、業界に入る前は考えの似ている人と集まりがちだったのに対し、業界に入ってからはドローンという共通点はあるものの考え方が近い人ばかりではないため、色々な角度からの意見がもらえるそうです。
本業の仕事をする中で趣味ではなく仕事としてドローンに関わっているのは、人や社会の為になる事をしたいという理由でした。自分主体で進める趣味とは異なり、仕事は人や社会の為にするものです。山端様はドローンを使って人に喜んでもらうことや社会に貢献することに喜びを感じるため、仕事としているのだそうです。
この度は、ご協力と素敵なお話をありがとうございました。