東京家政学院大学のキャリアバームと華飛がサポートを行いながら、ドローン業界で働く女性のキャリアについて、インタビューを行う企画です。これから社会人になる大学生の目線から、ドローン業界で働く女性に話を聞き、ドローンに関することや働くことに対して様々な話聞ける機会を作れればと思い実施しました。
第3回はドローンの配送サービスに携わる松本麻希さんです。
氏名:松本麻希
ドローン経歴:5年
血液型:A型
居住地:東京
松本麻希さん撮影のお気に入りのドローン写真はこちら
Q1.現在の仕事について
現在は、ドローンの配送をサービス化する仕事に携わっています。松本さんは昨年8月に転職して実証実験という形で山間部をターゲットにドローン配送をやっていて、3年後サービスを提供するために活動しています。
前々職のIT会社は多忙で趣味を見つけるためにドローンを飛ばすイベントに参加しました。そこでmavic(マビック)(ドローン機種)を初めて飛ばしたことがきっかけでドローンに興味を持ったそうです。
最初は、特にドローンを仕事にしたいとは思っていなくて、ドローンに興味を持ったものの、どこで買えるのか、何を買えばよいのか、どうすれば飛ばせるのか等、知識がなさ過ぎたので、ドローンのことを知るためにイベントに参加しました。
知り合いも増えていき、そこ経由でドローンメーカーの社員に声をかけてもらい、そこに2年程勤めていました。松本さんがやりたいことは、現場に出ていろいろな人のリアクションを受けながらいいものを作る仕事がしたいという気持ちから現在の仕事に転職したそうです。
Q2.ドローン業界の魅力
松本さんはドローン業界の魅力について、まだまだこれからの分野なので自分の力で手探りで新しいことを始められること。また、お客さんがドローンを見て、目を輝かせてくれることが嬉しいとお話しされていました。
松本さんは最終的に達成したいことがあり、現在は配送手段としてトラックや自転車、バイクなどがあり、その中の1つの手段としてドローンを選べるような社会ができれば面白いなとお話しされていました。実際に実現できるかお伺いしたところ、法律の制限があって現在は航空法で「第3者上空での目視外飛行」(レベル4飛行)が禁止されています。
そのため、都市部等での飛行ができない状況ですが、法改正次第で進むのではないかとお話しされていました。また、機体の性能が上がり、安全面がクリアになれば一気に進むのではないかとお話しされていました。
今は夢物語だと思うがそれを自分(チーム)でサービスを作って実現させられたらすごく面白いなとお話しされていました。
どんな方がドローンを見て、目を輝かせているのかお伺いしたところ、意外と年配の男性の方がワクワクしてる時もあるそうです。ラジコンが好きな方や、飛ぶものが好きな方とかは「こういう時代になったんだ」といいリアクションをするそうです。
Q3.ドローン業界で働くことの良いところ、辛いところ
ドローン業界で働く良いところは、人に喜んでもらえるところや、ドローン特有な部分だと新しい可能性を期待してもらえることだそうです。また、人に喜んでもらえることや実証実験で飛行が成功したときの達成感がやりがいになっているそうです。
一方で辛かったことは、ドローンというだけで嫌悪感を持たれることがあることだそうです。
マイナスイメージを持っている人が多いため、その払拭が課題であると話されていました。ドローンを「珍しいもの」ではなく「普通のこと」にすれば気にする人が減るのではと考えているそうですが、法律の面で動きづらいところがあるそうです。法律面を変えるためにはドローンの実績を知り、メリットを感じてもらうことが必要であると考えておられました。
また、女性ならではの大変なことも多く、現場である山間部でトイレがないこと、重いものを運ぶことやドローン用のアームを固定するときなどの力の必要な場面が多いことがあるそうです。しかし、男性よりも細かいところに気づけるなど、女性ならではのメリットもあるそうです。
Q4.働く原動力
「ドローンが飛ぶのが当たり前な世界を作りたい」という気持ちと、作れたら面白いだろうなという思いが原動力だそうです。初めは人のいないところで定期的に使い、それを続けることでドローン配送のサービス化に繋げられたらと思っているそうです。
これからの時代は高齢者が過疎地に増えていき、このことにより、自分で買い物をすることが困難な買い物弱者も同時に増えると考えていらっしゃいます。そのため、ドローン配送をすることで助かる人もでてくるので、社会の役にたてることも原動力だとお話しいただきました。
また、「無いものを作って役に立つ」ことが、社会人になってから好きになったそうです。そのため、「今は無いもの」を作ることがドローンの一番の面白味であるとも思っているそうです。このような好奇心も原動力だとお話しいただきました。
Q5.ドローン業界に対する将来への期待
松本さんは、建築業界でのドローンの導入に期待を持たれています。建築業界は重労働であること等の理由から、現在女性の少ない業界です。ドローンを使用することで女性も入りやすい環境になり、業界の発展につながるのではないかと考えておられます。
具体的な活用方法の例としては、ドローンのカメラで撮影を行い、それを3D化することで測量に使う等があるそうです。
更なる市場拡大のために、ドローンを新しく取り入れる際には、その業界を分かっている人が使うことが必要なのではないかと考えていらっしゃいます。例えば、ドローン業界の人がドローンを持って建築業界に入るのではなく、建築業界の人自身がドローンを活用できるようになる、ということです。
その業界の中でどのようにドローンに動いてほしいのかをよく理解している人ほど、新しい業界でドローンを有効に活用できるとお話しいただきました。これまではドローンは写真を撮るものというイメージを持たれがちでしたが、ドローンで撮った写真をどう活用するかを考えることが発展の鍵になるとの考えをお持ちでした。
最後に私たちの感想
私はドローンに対して未だ「新しいもの」という印象を抱いていますしドローンが当たり前になった世界を想像することができませんが、そうなる時がいつか来ると思うとワクワクします。
また、将来的なドローンの活用について、女性が働くことが難しかった分野での発展が期待できるというお話が興味深いものでした。現在は建築業界のようにどうしても女性の進出が難しい業界がありますが、ドローンを活用すれば女性でも働きやすい環境を作ることができるのは、ドローンの魅力だと感じました。
ドローン業界とは別の場所でのドローンの発展が、日本が抱える問題の一つである女性の社会進出の手助けになるとは考えたことがなかったため、また一つドローンの可能性を感じました。
この度は、ご協力と素敵なお話をありがとうございました。
また、法律面での制限や、ドローンをまだ受け入れられない人がいるという場面では、自分が思っている以上に難しい課題なのだと分かりました。その他にも、天候や鳥など、予測できない事態が多くあると知り、常に気を抜くことができない大変な仕事だと思いました。
喜んでくれる所にやりがいや、飛行が成功した時に達成感を感じると仰っていましたが、お話を聴いていく中で確かにそうだなと思いました。
現場が僻地だったりすると、トイレなどの問題があると分かり、想像以上に現場は大変なのだと感じました。しかし、女性の方が気付けることが多いなど、強みを生かして仕事をするという所で、他の仕事とも通ずるところがあると思いました。
建築業界での活用など、既に様々な分野でドローンが活躍していることが分かりました。そのため、今後、色々な場面でドローンを見かけ、ドローンの力が必要になることが多くなるかもしれないと楽しみになりました。
今回は貴重な機会とお話をありがとうございました。
松本様はドローン業界で働く魅力について、「まだまだこれからの分野なので手探りで自分の力で始められるところ」とお話しされていました。具体的にやりたいことは、現在配送手段はトラックや自転車などがあるが、ここにドローンが入る未来を実現したいとお話しされていました。また、ドローンを見て目を輝かせてくれる人がいることが嬉しいそうです。
今回のヒアリングで特徴的だったことは、「ドローンが当たり前に飛ぶ世界を作りたい」というお話しです。ドローンが当たり前になることで買い物弱者など助かる人も出てくるので社会の役に立てるのではないか、と具体的に未来を考えておられました。
今回のヒアリングを通してドローンの可能性は無限大だと感じました。