ドローン技術の進化!空からの最新情報と注目のドローン産業のニュースをお届け!


現代のテクノロジーの進化のなかで、航空技術が新たな一歩を踏み出しています。今回は、ドローンの魅力的な世界とはまた異なる視点から、ドローンの技術を中心に、物流・測量・無人航空機など、ドローンが私たちの日常や産業にもたらす変化に焦点を当てます。

通常、ドローンは映像撮影に関連付けられがちですが、今回ご紹介するドローンニュースを通じて、新たな発見や可能性を探ると私たちの生活や産業におけるドローンの役割の多様性が見えてくると思います。

ドローン撮影画像とAI解析ソフトで"ナラ枯れ"の把握の効率化を!ドローン技術が「ナラ枯れ」問題の解決に一役!


1つ目のニュースはドローン×林業に関するニュースです。

森林保護と林業は、環境保護と経済的な持続可能性を両立させる重要な分野です。ここに、ドローンが活用されることで環境への影響を最小限に抑えつつ、収益を向上させることが可能となります。
ドローン×林業の組み合わせは、自然と経済の調和を取り戻すための新たな取り組みとして注目されています。

最近、日本全国で深刻な課題となっているのが「ナラ枯れ」です。この現象は、カシノナガキクイムシ(通称:カシナガ)が媒介するナラ菌によって、ミズナラなどの木々が大規模に枯れる現象を指します。2022年度には、前年比で約99%も増加し、約15.1万立方メートルものナラ枯れ被害が発生しています。このまま枯れ木を放置すると、周囲の木々にも被害が広がり、危険な倒木事故も発生する可能性が高まるため、早急な対策が急務となっています。

ナラ枯れ被害については林野庁のホームページに載っているので見てみてください。
https://www.rinya.maff.go.jp/j/hogo/higai/naragare_R3.html

そんな中、埼玉県所沢市では、森林緑地内に職員が足を運び枯死木の調査を行っていましたが、業務量などの課題に直面していました。NTT東日本は所沢市から調査方法の効率化の相談を受け、森林調査に関するDeepForest Technologiesの技術の活用を提案しました。

DeepForest Technologiesとは、京都大学発のスタートアップです。世界で初めてドローンで撮影した画像データから各樹木単位での解析を可能とする技術を開発し、森林情報を解析するシステム「DF Scanner」(以下「DF Scanner」)をソフトウェアとして開発、実用化し販売しています。このシステムは、デジタルカメラを搭載した手頃な価格のドローンで撮影した画像データでも樹木の状態を解析できるという画期的な技術を持っています。

そこで、所沢市、DeepForest Technologies、NTT東日本が連携し、ドローン撮影画像とAI解析ソフトを活用して「ナラ枯れ」の効率化を実証実験することになりました。この取り組みは、国内初の試みであり、一般的な市販ソフトウェアと手軽なドローンで撮影した画像データを活用できることが期待されています。

先に述べた「DF Scanner」は、一般的なデジタルカメラを搭載したドローンで撮影した画像データでも樹木の状態を解析できるため、この実証実験が成功すれば、他の自治体でも同様の手法を用いて森林管理を効率化し、コスト削減に貢献できる可能性があります。

実施組織については各ホームページをご確認ください。

ニュース引用元:NTT 東日本
ドローン撮影画像×AI解析ソフトを活用した「ナラ枯れ」把握の効率化の実証実験開始
https://www.ntt-east.co.jp/saitama/news/detail/pdf/hp20231016.pdf

大和ハウス工業とNTTコミュニケーションズ、無人点検管理に向けた協業がスタート


2つ目はドローン×物流に関するニュースです。

近年、急速な物流業界の成長に伴い、物流施設はますます大型化し、その運用と管理が課題となっています。また、人手不足の問題や設備の損傷による事故のリスクが高まっており、施設の点検とセキュリティが課題となっています。施設点検管理が負担となっていること、設備の損傷などによる事故や業務の滞りを未然に防ぐことなど、従業員やドライバーの安全な労働環境を維持する上で不可欠となっています。

この課題に対処するために、ドローン技術の導入により、物流施設は効率的な点検、セキュリティ強化、事故の予防、データ駆動の運用を実現することができるのではないかと期待されています。
そこで、大和ハウス工業とNTTコミュニケーションズは、2023年8月1日から、大和ハウス工業の開発したマルチテナント型物流施設(DPL)における無人点検管理を実現するための協業を開始しました。

協業内容について簡単にまとめてみました。

  1. 無人点検管理ソリューションの開発
    先進技術(ドローン、AIなど)を活用し、あらゆる物流施設で使用可能な無人点検管理ソリューションを共同開発。
  2. 全国のDPLへの導入
    開発したソリューションを全国のDPLに展開し、無人点検管理の先進的な実施を促進。

新たに開発されるソリューションは、NTTコミュニケーションズの販売するドローン「Skydio 2+™」などを活用します。

物流施設内の画像データを収集し、「Smart Data Platform for City」(SDPF for City)にアップロードすると、AIが画像解析を行い、設備の異常や損傷を検知する仕組みです。異常が検知された場合、関連する建物管理者や警備員に通知を送り、自動で報告書を作成します。このソリューションを採用することで、DPLの点検業務に要する時間を約3割短縮でき、設備の異常に対する効率的な対応が可能になるとされています。全国のDPLにソリューションを展開する予定で、2025年度から順次導入される予定です。

今後、両社は建物内で収集された画像データ、テナント企業の車両運行データ、気象情報など、多岐にわたるデータを収集し、「SDPF for City」に統合することで、DPLの省力化と効率化を促進し、非常時におけるドローンによる避難誘導などについても検討するようです。

この協業により、物流業界における労働力不足や労働時間の短縮による「2024年問題」など、社会的な課題に貢献することが期待されますね。

実施組織については各ホームページをご確認ください。

引用元:大和ハウス工業株式会社
ドローンやAIなどの先進技術を活用し物流施設における無人点検管理実現に向けた協業を開始
https://www.daiwahouse.co.jp/about/release/house/20230727085755.html

花王、養父市でのドローン実証実験に成功


3つ目もドローン×物流に関するニュースですが、こちらは輸送に関するニュースです。

輸送におけるドローンの活用は、物流業界における効率性と持続可能性を向上させ、新たな輸送手段として広く採用されています。急速に進化するドローン技術は、将来的には多くの輸送課題に対処し、効率的かつ持続可能な輸送の実現に貢献できると考えられています。

花王株式会社は、持続可能なサプライチェーンの構築に向けた取り組みの一環として、重量運搬ドローンと自動搬送ロボットを組み合わせた無人物流システムの実証実験を成功させました。
この試みは、兵庫県養父市との連携協定を通じて進行し、山間部や過疎地域における物流課題の解決を支援、持続可能な物流網を構築することを目指しています

実証実験の詳細について

この実験は、養父市のスーパーセンタートライアル養父店から養父市立養父中学校中庭部分への2㎞の距離において行われました。
実験では、大型ドローンが最大20㎏の日用品を一括輸送し、山を越える電波の安定性と飛行安定性を確認しました。実験の成功により、山間地域や過疎地域への一括供給の可能性が示されました。

この実証実験は、養父市のほかに3社の協力のもと実施されました。

実施組織については各ホームページをご確認ください。

今後の展開

花王は、この実証実験で得た知見をもとに、さまざまなドローン技術の特性に合わせた実証実験を継続的に実施する予定であると述べています。
さらに、大型荷物の多重編隊飛行による改善を図る実証実験や、海上ルートを活用した長距離ドローン輸送の実証実験も計画しているようです。

引用元:花王株式会社
花王、重量運搬ドローンの自動運行技術を用いた一括輸送に関する実証実験を実施
https://www.kao.com/jp/newsroom/news/release/2023/20231026-001/

ANAホールディングス、レベル4ドローン配送サービスの実証実験を実施


4つ目のニュースは、ドローン×物流です。こちらも輸送に関する実証実験のニュースです。

ANAホールディングス株式会社(以下「ANAHD」)は、補助者なしでのレベル4ドローン配送サービスの実証実験を沖縄県久米島町で開始しました。
この実験は、国土交通省物流・自動車局物流政策課の「無人航空機等を活用したラストワンマイル配送実証事業」に採択され、国の実証事業としても進行中です。

実証実験の詳細

  • 実施期間
    2023年11月6日から11月9日まで(9:00から18:00まで、日没まで)
  • 飛行区間
    沖縄県久米島町Aコープ久米島店から旧仲里間切蔵元跡(真謝地区)までの約2.3km
  • 配送物
    Aコープ久米島店の一部食品
  • 配送対象者
    主に真謝地区に住む住民
  • 使用機材
    ACSL式 PF2-CAT3型(最大離陸重量: 9.8kg、搭載可能重量: 1.0kg)

実施の目的

この実証実験の主な目的は、レベル4でのドローン配送サービスを実施し、飛行の最適化、人件費の削減など技術面とビジネス面での有用性を検証することです。従来のレベル3では3人以上のスタッフが必要でしたが、レベル4では運航者1名での運航が可能となり、運航の省人化に関する課題に対処できるようになりました。また、ラストワンマイル物流の実施も含めて、地域ボランティアと協力して、配送を注文者の自宅まで行います。

技術とビジネスの検証

ANAHDは、この実証実験を通じて、レベル4での運航体制、飛行経路、省人化の検証を行い、ドローン物流事業の社会実装を目指しています。
ANAHDは過去にも、無人地帯での補助者なし目視外飛行(レベル3)の実証実験を複数回実施してきました。この実証実験は、国土交通省の航空法改正により、レベル4の運航が可能になったことを受けて行われたもので、国内で初めて自社操縦士によるレベル4運航が実現しました。

実施組織については各ホームページをご確認ください。

ANAHDは、ドローンを活用したラストワンマイル物流の実証実験を進行中で、飛行の最適化や省人化を含む技術とビジネスの検証を行いながら、ドローン物流事業の発展に取り組んでいます。今後の実証実験結果に注目が集まりそうです。

引用元:ANAホールディングス株式会社
レベル4によるドローン配送サービスの実証実験を実施!
https://www.anahd.co.jp/group/pr/202310/20231013.html

株式会社NTTデータがドローン2機の同時自律航行に成功、広域河川巡視・点検が実現可能に


5つ目はドローン×測量・点検に関するニュースです。

ドローンを用いた測量と点検は、従来の方法に比べて迅速で効率的であり、高精度のデータ収集を可能にします。これにより、安全性の向上、コストの削減、環境への配慮、プロジェクトの成功に貢献できるとされています。ドローン技術の進歩により、測量と点検分野での新たな可能性が広がっています。

株式会社NTTデータ(以下、NTTデータ)は、北海道開発局の「第4回 現場ニーズと技術シーズのマッチング事業」において、自律飛行ドローンを用いた災害時の河川巡視・点検の実証実験を実施しました。

この実証実験は、北海道の石狩川と千歳川において、異なる種類のドローンを使って2機同時に自律飛行させ、災害時の河川施設や周辺の被害状況を迅速に収集する技術の有用性を検証することを目的として行われました。

実証内容の概要

  • 2台のドローンを同時に自律飛行
    ※使用ドローン
    石狩川:長距離・高速で飛行可能なVTOLドローン
    千歳川:詳細調査への活用を想定した回転翼ドローン
  • VTOLの長距離自律飛行(約30キロの飛行)
  • 飛行時のカメラ撮影情報と機体情報のリアルタイム中継
  • ドローンから得られた撮影情報が災害時に役立つかの検証

実証結果

実証実験は以下のポイントで成果が上げられました。

  • 2台同時の自律飛行
    NTTデータは異なる種類とメーカーの2台のドローンを同時に自律飛行させ、airpaletteUTM(ドローン運航管理システム)を使用して飛行状況を同時に管理する能力を検証しました。これは災害時の迅速な情報収集に対する有用性を示唆しています。
  • VTOLの長距離自律飛行
    VTOLドローンは、石狩川の美原大橋からたっぷ大橋までの約30キロの飛行を成功させ、河川施設の動画や静止画を撮影しました。これは災害時に広域調査に活用できる可能性を示唆しています。

引用元:株式会社NTTデータ
ドローン2機の同時自律航行に成功、河川巡視・点検における広域調査を実現
https://www.nttdata.com/global/ja/news/topics/2023/102401/

撮影だけではない、産業でも活躍するドローンの未来


いかがでしたか?ドローンが私たちの生活に役立てられるような場面を想定し、企業や団体、メーカーなどが一丸となって様々なプロジェクトを発足していることがニュースを通じて知っていただけたかと思います。

ドローンは空撮のみならず、産業用ドローンとしても活躍できる未来がすぐそこまで近づいていると思うとワクワクしますよね。

私たちの生活にドローンが活用されたらどのようなメリットがあるのか、また、デメリットは?それぞれ気になることはあるかと思います。

ドローンの活用に伴うメリットとは?

  1. 効率と迅速さ
    ドローンは多くのタスクを迅速に実行でき、例えば緊急医療物資や救援物資の配達、建設プロジェクトの監視など時間とコストを節約できます。
  2. 安全性
    ドローンは危険な任務を遂行し、人々の安全性を確保します。例えば、高所の点検や救助活動の際に危険を冒さなくて済みます。
  3. 環境への配慮
    電動またはハイブリッドのドローンは、二酸化炭素排出を削減し、環境への負担を軽減します。
  4. データ収集の向上
    ドローンは高解像度の画像やセンサーデータを収集し、農業、環境保護、建設、測量などの分野で正確な情報を提供します。
  5. 遠隔地へのアクセス
    ドローンは難アクセスな地域に到達し、医療物資や人道的支援を提供する能力を持っています。

ドローンの活用に伴うデメリットとは?

  1. プライバシー懸念
    ドローンが広く使用される場合、個人のプライバシーへの懸念が生じる可能性があります。プライバシー規制の必要性が浮上するかもしれません。
  2. 安全規制と制約
    ドローンの安全な運用に関する法的規制や空域管理が必要です。適切なガイドラインが確立されていない場合、安全性に関するリスクが高まります。
  3. 技術の限界
    ドローンの飛行時間や運搬能力には制約があり、長距離輸送や大規模な運搬には制約が生じることがあります。
  4. コスト
    ドローンの購入、メンテナンス、トレーニングなどのコストが高い場合、採用に関する課題が生じる可能性があります。
  5. セキュリティリスク
    ドローンは悪用される可能性もあり、セキュリティ上のリスクが生じることがあります。不正な監視、不正規模の物資輸送などの問題が発生する可能性があります。

これらのメリットとデメリットを考慮して、ドローンの導入は慎重に行われるべきであり、適切な規制と安全対策が必要です。

しかし、将来的にはドローンの利用が私たちの生活をより効率的なものにする可能性が非常に高いと言えるので、今後の展開もチェックしていきたいところです。
ドローンの飛行は、私たちの生活と未来に革命的な変化をもたらし、産業と社会全体に利益をもたらし、効率的な生活を築き上げ、新たな可能性を開拓していくことを意味しているといえるのではないでしょうか?

ドローンによって生み出される価値とは?


現在、ドローンは多くの分野で新たな価値を生み出しています。建設業においては、建設現場の監視や地形測量により、プロジェクトの進行を効率化し、品質管理を向上させています。

農業では、農地のマッピングや作物の成長モニタリングにより、食糧供給を支えています。また、物流業界では、最終マイル配送においてドローンが活用され、小包や急ぎの商品の素早い配達が実現されています。さらに、エネルギー業界においては、高所での設備点検により、労働者の安全性が向上し、エネルギー供給の信頼性が確保されています。

ドローンは災害時にも頼りにされています。救援物資や医療用品の素早い供給をサポートし、救援活動を効率的に行う手助けをしています。環境保護分野では、野生動物の監視や森林火災の早期発見、環境影響の評価に役立ち、生態系の保護に貢献しています。医療分野では、遠隔地域への医療物資の供給に使用され、医療サービスのアクセス向上に寄与しています。さらに、趣味としてのドローン飛行も楽しみの一つとして受け入れられています。

ドローンに興味を持つ方々には、ぜひドローンについて学び、機会があれば触れてみてほしいと思います。

 

株式会社華飛では、ドローンの機体に関することや国家資格・民間資格について無料でご相談を受付ております。ドローンを使った仕事を検討している方、ドローンのパイロットライセンスを取得したい方、どんな疑問や不安でもお気軽にご相談ください!
お問い合わせはこちら!

この記事が気に入ったら
フォローしよう

最新情報をお届けします

おすすめの記事